■ 八徳の思想
これはロードブリティッシュの統治による究極的な目標の一つとされています。
八つの徳を極めることは、人々の模範であるアバタールへと至るに同様です。
またブリタニア全土で徳を信奉することは、”悪”へ対する防衛システムとなります。
この徳の思想は、『八つの精神』『三つの原理』『一つの公理』から成り立ちます。
それこそ『慈悲』『誠実』『武勇』『正義』『名誉』『献身』『霊性』『謙譲』の精神。
そしてそれは『愛』『勇気』『真実』の原理に帰します。
(ただし『謙譲』は別の次元として扱われます)
最後に三つの大いなる原理は、究極の公理である『無限』を導き出します。
人の基本理念となる『原理』をロードブリティッシュがわかり易く解釈させるための倫理として『徳』の精神を打ち立てたとも云われます。
八徳を学ぶことで自動的に最も重要な三原理が学べる仕組みなのです。
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□ 慈悲(Compassion)
「汚れた魂を持つもの、真の哀れみを示すことはない。優しき心こそ、高貴なる者の証しとなる」
愛の原理より導き出される徳で、人に対する優しさであり、無条件で他人を気遣う気持ちを表す。
マントラは「MU」、ハートのシンボルで表され、黄色を象徴する。
慈悲の都はブリテイン、吟遊詩人たちがこれを守護する。
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□ 武勇(Valor)
「か弱き者たちが汝に対して無謀な戦いを仕掛けたならば、毅然と、しかし優しくその心を抱きしめるがよい」
勇気の原理より導き出される徳で、悪に立ち向かう勇気であり、困難に打ち勝つ姿勢を表す。
マントラは「RA」、短剣のシンボルで表され、赤色を象徴する。
武勇の都はジェローム、戦士たちがこれを守護する。
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□ 誠実(Honesty)
「たとえ真実がどうあろうとも、たとえ誠実であろうとしても、そこに徳があるならば、それがどのようなものであれ、大切にすることだ」
真実の原理より導き出される徳で、正直に生きる姿勢であり、嘘偽りを吐かない行動を表す。
マントラは「AHM」、掌のシンボルで表され、青色を象徴する。
誠実の都はムーングロウ、魔術師たちがこれを守護する。
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□ 献身(Sacrifice)
「宇宙は広く永遠に続く。それゆえ、ひとりの人間の命は献身の大きさによってのみ測られる」
愛と勇気の原理より導き出される徳で、他人を助けるために自らを捧げる勇気を表す。
マントラは「CAH」、涙のシンボルで表され、橙色を象徴する。
献身の都はミノックであり、職人たちがこれを守護する。
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□ 正義(Justice)
「力なき正義は役に立たぬ。正義無き力はただ恐るべきもの」
愛と真実の原理より導き出される徳で、平等であり公平であろうとする姿勢を表す。
マントラは「BEH」、天秤のシンボルで表され、緑色を象徴する。
正義の都はユーであり、ドルイドたちがこれを守護する。
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□ 名誉(Honor)
「刃を受けることがあろうとも、決して名誉が傷つくことはない。たとえ卑怯なる力が襲いかかったとしても、それにうち破られることはない」
勇気と真実の原理より導き出される徳で、誓いを大事とする事であり、正しいと思う事を貫く精神を表す。
マントラは「SUMM」、杯のシンボルで表され、紫色を象徴する。
名誉の都はトリンシックであり、パラディンたちがこれを守護する。
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□ 霊性(Spiritulity)
「この混乱と永遠の世界にあって、ただ変わらぬものは魂なり。魂の崇高さこそ、永遠の宝となる」
愛、勇気、真実の三つの原理すべてによって導き出される徳で、更なる高みを目指し、自らの魂を磨こうとする精神を表す。
マントラは「OM」、アンクのシンボルで表され、白色を象徴する。
霊性の都はスカラブレイであり、レンジャーたちがこれを守護する。
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□ 謙譲(Humility)
「この世界でもっとも謙虚なもの。正しき心の鎧に身を包むとき、いかなる邪悪なる力にも決してうち破られることはない」
三つの原理より関わらぬ徳で、決して奢らず、質素を旨とする姿勢を表す。
マントラは「LUM」、杖のシンボルで表され、黒色を意味する。
謙譲の都は存在せず、羊飼いたちがその意思を継ぐ。
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□ 愛(Love)
大いなる原理の一つ、慈悲、献身、霊性の元となる。
愛のシンボル『愛の蝋燭』は、愛の修道院エンパスアビーに安置される。
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□ 勇気(Courage)
大いなる原理の一つ、武勇、名誉、霊性の元となる。
勇気のシンボル『勇気の鐘』は、勇気の砦サーパンツホールドに安置される。
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□ 真実(Truth)
大いなる原理の一つ、誠実、正義、霊性の元となる。
真実のシンボル『真実の本』は、真実の図書館ライキュームに安置される。
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□ 無限(Infinity)
八つの徳と三つの原理から導きだされる必然の答えが無限の公理とされる。
究極の答えであり証であり、無限の力を象徴する。
ただし、公理を正しく理解したものは驚くほど少ない。
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□ 補足・廃都マジンシア
ロードブリティッシュはマジンシアに謙譲を守護することを命じます。
マジンシアは貴族や商人たちが興した大規模な街でした。
しかし、彼らはロードブリティッシュの勅命をはねたばかりでなく、誤った徳を信奉してしまいます。
三原理と交わらぬなら、その徳は『誇り(pride)』ではないか、そしてそれこそ自分たちに最も相応しい、と。
そうして誇り高き街は自身の驕りによって破滅の道を歩んでゆきました。
這い寄る悪に際して、彼らは内に潜む闇にさえ対峙することは叶わず、歴史は終わりを告げました。