■ 魔法に関する序文
あなたも魔法を学ぶことを強く望んでいることでしょう。
そして、私たちの門を叩く他の多くの学徒たちと同じよう、全てのことを一度に得ようとする。
制御する力を理解するよりも先に、今すぐにでもその深遠を覗きまいと切望している。
それもよいかも知れない。
何故なら今、目の前でその秘密を垣間見せれば、君からの執拗な質問に苦しむこともないでしょう。
それでも忠告だけはしておきます。
これらの秘密を知ったところで、君は魔法の存在が信じられるだけのこと、そして自分のわずな可能性に胸を躍らせるだけ。
魔法とは単に論法を覚えるだけの事ではない、戦士が自らの戦いの中でその力を体現してゆくのと同じ。
自ら発見なくして、その習得はあり得ない。
これから伝える呪文をあなたの呪文書に書き写したところで、使えるようにならなければ、その意味もない。
呪文を掛けるには、まずマナと呼ばれる力を具象化するため、一種の詠唱儀礼を学ばなければならないでしょう。
魔法を使うには、詠唱、呪文書、そして相応の力が必要です。
――ブリタニア魔法学会より、未来の生徒たちへ